Vagabond Shoes

Now we are in Bali, Indonesia. 2009年末から旅に出ました。

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スリランカの悪夢

チュニスでの食中りは病院のお世話になることなく済んだのだが、わずか数日だけれど、この旅の途中で入院していたことがあった。

スリランカに滞在していたときのことだった。
古都キャンディで目覚めたある朝、わき腹に赤い発疹がポツりポツりと出ているのに気付いた。
ダニに食われたにしては小さいし、数が多いので蕁麻疹だろうか、何だろうか、と不思議に思ったけれど、痒みもないのでほおっておいた。

翌朝起きてみると、発疹はわき腹だけでなく、膝裏や二の腕などの肌の柔らかい場所に拡がっていた。
今日は昨日よりずっとむず痒い。

自慢でないが、こと食中りについてなら、培ってきた経験値は高い。
食べたものや、痛みや体の発するサインから、自分のダメージの程度も、どのくらいで治るかもおおよそ見当が付く。
冴えている時には、ハナを利かせて危険なニオイのする食べ物を見分け、回避することも出来る。
ここでいうニオイとは、文字通りの腐敗臭がするとか、食べるときに嫌な味がするとかいうハナシではなくて、視覚や嗅覚や味覚が異常を感じないのに、「あ、これは食ったらマズイことがおきる。」と第6感が働くことである。
熟練した船乗りが、真っ青な晴天の凪いだ海にいる時でも、肌を撫でる風が頬にからみつく重さや、あるいは潮風の香りのわずかの甘さの違いで、いつ、どの程度の嵐がやってくるのか判るのと同じものだ。
同列に並べると船乗りに怒られるが、まぁ、馬鹿なたとえ話はおいといて、こんな発疹がでた経験はこれまでなかったので、経験から推察しようにもさっぱりだった。

原因を考えてみる。
そういえば、発疹の出来る前日に、柏のような葉っぱに包まれた薄べったいキャンディ名物の菓子を食べた。葉っぱに包まれたままを、妙な味のする御菓子だなと思って食べたのだけど、実は葉っぱを剥がして食べるものだった。
フルーツ屋のオジサンにご馳走になった、滋養強壮ドリンクも飲んだ。オジサンが毎朝飲んでいるというそのドリンクの材料は不明だが、これにはハーブが色々入っていて体にすごくいいんだ!と力こぶを作って説明してくれた。ぬるっとした喉越しの緑色をした液体は、口に含んだことを激しく後悔させる代物だったけれど、せっかくのオジサンの厚意をムゲに断るわけにもいかず、仕方なく一気に飲み干した。

僕は食物アレルギーは持ち合わせていないけれど、見知らぬ国で、食べなれないものを口にしているので、それが原因だと考えられないことも無い。

原因がわからないままにどんどん発疹は拡がり、胸や腹は言うに及ばず、背中から太もも、足の甲まで自分で見ても気持ち悪いくらいに発疹だらけになってしまった。
痒さもイライラするくらいになった。

調べてみると、どうもアセモの症状のようだった。
3月のスリランカは乾季の終わりで、一年で最も暑い時期にあたる。翌月になれば雨が降り始め、やや過ごしやすくなるのだが、今は日本の夏をもっと気温を高くして、さらに蒸し蒸しとしたような気候だった。陽射しは強く照りつけ、ムッとするような熱風が吹き付けてきて、一歩屋外に出ると毛穴全てから汗が噴き出す。
そんな熱風でもあるだけまだマシで、渋滞に巻き込まれたときの無風のバス車内は、服が汗で体にまとわりつき不快なことこの上ない。
ローカルもシャツの背中をべっとりと汗で濡らしているので、やっぱり暑いのだろう。

アセモなんざ子供の病気だと思っていたけど、なんのなんの、こんなに痒いものかというくらい、熱を持ってむず痒い。
そのうちに、歩くと半パンにすれる部分がただれて、お陰で痛くて歩くのも苦痛になってきた。
仕方が無いので、アセモが引くまでしばらく外出を控えて、おとなしく部屋でネットや本でも読んで過ごそうと考えていた。

インターネットはとても便利な道具で、外国にいても自分の病気がどんなものか調べることができるし、たくさんのアドバイスを得ることができる。そしてたまに、思いもよらない知識を得ることもできるのだ。
自分の症状に似通った病気を探していると、スリランカのとある風土病についての記述が目に留まった。
風土病の名前は、象皮病という。
蚊が媒介するフィラリア原虫に感染することによって起こる病気で、こいつが末節のリンパに巣食ったところに、免疫細胞が集まって炎症が起こる。
落ち着く、炎症、落ち着く、また炎症ということを繰り返すうちに、リンパ浮腫がおこり、非可逆的に組織が厚肥してしまい、終いにはまるで象の皮膚のようになってしまうという病気だ。
今の日本ではヒトでは根絶していて、犬のほうで有名だけど、昔は日本にもあった病気で、古くは北斎の絵にも患者が描かれており、近いところでは、西郷隆盛もこの病気に罹っていたそうで、自決した彼の死体を検分するときに、このことが本人確認の一因となったとか。

この病気の初期症状に、発疹が出るとある。
僕には感染したような発熱もないし、リンパの腫れも無い。自己診断でアセモだろうとタカを括っていたのだが、万一こっちが原因だったら?
これはイカン、何事も早いに越したことは無い。ということで、大きな病院で検査をしてもらうことになったのであります。

つづく。
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ダリオ&ハニコ

Author:ダリオ&ハニコ
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